おやじの楽しみ

山岡家を何度も食べるオヤジは、味・麺・脂・トッピングを一つずつ変える

山岡家の再訪性は、強い味だけで決まらない。基本の一杯を基準に、味・麺・脂・トッピングのうち一つだけ変えれば、同じ店で自分の最適解を探せる。

山岡家特集用に指定された既存写真(IMG_1061)

山岡家を何度も食べているのに、毎回ほとんど同じ注文をしているオヤジに読んでほしい。定番があるのは悪くないが、次の一杯で一項目だけ変えると、同じ店が小さな実験場になる。味を濃くするか、麺を変えるか、脂を調整するか、トッピングを足すか。全部一度に変えると記憶が追いつかないので、【オヤジのカスタムは一つずつ】がちょうどよい。

「また食べたい」を味の強さだけで説明しない

山岡家の「ガツンと来る」「くせになる」という印象は、濃厚な豚骨スープや太麺と結び付いて語られやすい。強い個性があることは、初めて食べた人の記憶に残る理由になる。

しかし、何度も通う理由を味の強さだけで説明すると、同じ味を繰り返す話になってしまう。ラーメン山岡家の公式サイトには、基本味、麺の茹で加減などの注文時の選択肢、トッピングが案内されている。自分の好みに近づける余地があることも、再訪の楽しさにつながると考えられる。

ここで言う「中毒性」は医学的な意味ではない。食後にまた食べたくなる理由を考えるための編集上の言葉であり、実際には味の好み、店へ行きやすい時間、価格、同行者、注文の遊び方などが関係する。この記事では、そのうち注文を変えられる楽しさに絞る。

まず基本の一杯を固定する

カスタマイズを楽しむなら、最初に比較の基準を決める必要がある。基本味の中からよく食べるものを一つ選び、麺、味、脂、トッピングをなるべく標準に近づけた一杯を基準にする。

何を基準にするかは人によって違う。醤油が好きなら醤油、味噌が好きなら味噌を選べばよい。初来店ではないので、以前の定番を基準にしてもよい。重要なのは「前回と今回で、どこを変えたか」を後から分かる状態にすることだ。

基準の一杯を作ると、味の変更が比較できる。いきなり複数のトッピングを重ねると満足感は上がるかもしれないが、次回に再現する条件が分からない。自分の定番を探すなら、派手さより再現しやすさを優先したい。

次回は麺だけを変えてみる

麺の茹で加減を選べる案内があるなら、次の来店では麺だけを変える方法が分かりやすい。スープの味と脂を大きく変えず、麺の食感に意識を向ける。

硬めにしたときは、麺の歯ごたえやスープとの組み合わせがどう感じられるかを見る。標準に戻したときとの差が分かれば、次から自分の好みを注文しやすい。麺の変更が自分に合わなければ、基準に戻せばよい。それも一つの発見である。

変更点を一つに絞ると、料理を細かく採点する必要がなくなる。「前より好み」「標準の方が落ち着く」「次は別を試す」程度の感想で足りる。オヤジの舌に五段階評価を毎回求めると、食事が会議になる。

味を変えるときは、濃さの印象を比べる

次の候補は味の濃さである。前回の麺を基準にし、味だけを変える。濃くする、標準へ戻すなど、店舗で案内される指定の範囲から選ぶ。

味を変えるときは、スープだけでなく麺との組み合わせにも目を向ける。同じ味でも麺の食感が違えば印象は変わるし、同じ麺でも味の濃さが変われば食べ進めたときの感じ方が変わる。だからこそ、前の回で麺を決めておく意味がある。

「濃いほど山岡家らしい」と決めつける必要はない。自分が最後まで食べやすい濃さ、具や麺とのバランスがよい濃さを探す。SNSで目立つ注文が自分の正解とは限らない。人気のカスタムをまねして、結局標準へ戻ることも立派な検証結果だ。

脂は少しずつ調整する

脂の量も、再訪時に変えやすい項目の一つだ。味を変えずに脂だけを調整すれば、スープの印象がどこから変わったのかを考えやすい。

ここでは、増減の具体的な正解を決めない。店舗で案内される選択肢の中から、その日の体調や食事の時間に合わせて選ぶべきだからだ。夜遅いから必ず減らす、若いから必ず増やす、といった年齢や時間だけのルールも必要ない。

脂を変えた回は、次回の注文に短いメモを残す。「前回は脂を変えたが、味は標準がよかった」だけで十分だ。記憶に頼ると、前回の変更が味だったか麺だったか分からなくなる。ラーメンを食べた後に、ラーメンの記録を残すオヤジは少し几帳面だが、次の一杯で迷わない。

トッピングは最後に一つ足す

基本味、麺、味、脂の基準ができたら、トッピングを一つ変える。公式レギュラーメニューには、複数の基本味と各種トッピングが案内されている。具を足すと食感や量の印象が変わるため、最後に試すと違いを受け止めやすい。

トッピングの選び方は、食事の目的で決める。具をしっかり食べたい日、香りや食感を足したい日、基本のスープをそのまま楽しみたい日では、適した注文が違う。特定の組み合わせを万人向けの正解として紹介するのではなく、「今日は何を変えたいか」を先に考える。

一つのトッピングを試して気に入ったら、次回も同じ条件で再現する。その後に別の具を試す。自分の定番を一つ作ってから次の候補へ進むと、注文の迷いが減る。

非公式の裏メニューを正解にしない

SNSには、独自の食べ方や組み合わせが紹介されることがある。参考になる投稿もあるが、すべての店舗で同じ注文ができるとは限らない。公式に案内されていない呼び方や、店舗側が対応できるか分からない変更を、通常の注文方法として断定してはいけない。

カスタマイズの記事で大切なのは、派手な裏技を紹介することではない。公式メニューと店舗で案内される指定の範囲で、前回との差を一つ作ることだ。これなら店員との認識違いも減り、初めて試す人にも伝わりやすい。

注文前に分からないことがあれば、券売機や店頭の表示を確認し、必要ならスタッフへ尋ねる。自分だけの最適解を探す遊びも、店の案内と他の客への配慮があって成立する。

自分の最適解を探す過程が再訪を作る

山岡家を何度も食べる理由を、「味が強いから」と一つに決める必要はない。基本味を固定し、次回は麺、味、脂、トッピングのうち一つだけ変える。食後に短い感想を残し、気に入れば再現し、違えば基準に戻す。

この繰り返しには、少しゲームのような面白さがある。前回より自分に合った一杯になったか、標準の方がよかったか、次はどこを変えるかを考えられるからだ。店は同じでも、注文と自分の条件が変わるので、毎回まったく同じ体験にはならない。

ただし、カスタムを義務にしなくてよい。定番の一杯を毎回食べることも、立派な選択である。変化を楽しみたい日に一項目だけ試し、疲れている日はいつもの注文に戻る。その自由さがあるから、再訪が負担にならない。

次に山岡家へ行ったら、四項目を一度に変えず、まず一つだけ選びたい。オヤジの研究は、たいてい二回目の注文を忘れるところから始まる。それでも店へ行けば、また次の検証ができる。これが「また食べたい」の、かなり平和な正体である。

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