おやじの入門

城めぐりを始めたいオヤジは、近所の1城と公式スタンプが入口だ

城めぐりを始めたいオヤジは、いきなり100名城制覇の計画を立てなくてよい。まずは近所の1城を選び、開館日と公式スタンプの場所を確認して訪ねる。御城印との違いも押さえておきたい。

無地の記録帳と地図、歩きやすい靴を置いた城めぐりの準備風景

城めぐりを始めたいオヤジに読んでほしい。100城を数え始めると、出発前に旅行計画だけが城塞化する。最初に目指すのは【近所の1城+公式スタンプ】である。遠い名城を一気に制覇するのではなく、日帰りできる一城を選び、現地の道を歩き、見たものを記録する。帰宅後にもう一度行きたいと思えたら、次の城を考えればよい。

100名城は制覇ノルマではない

日本城郭協会は、日本100名城の一覧を公式に案内している。城めぐりを始めるときは、その一覧を「全部回らなければならない表」ではなく、訪ねる城を探す地図として使う。番号が付いていると集めたくなるが、最初の目的は数字を増やすことではない。自分の生活圏から行きやすく、歴史や場所に興味を持てる城を一つ選ぶことである。

近所の城といっても、天守が残る城だけとは限らない。石垣、堀、土塁、門、城跡の地形など、現地へ行って初めて分かるものがある。展示施設がある城なら、開館時間や休館日も旅の条件になる。史跡公園のような場所でも、道の状態や高低差を事前に確認する。

一城目を選ぶときは、次の三条件を重ねると決めやすい。自宅から無理なく往復できること、現地で見たいものが一つあること、訪問日と開館情報を公式ページで確認できることだ。最寄り駅から遠い場合は、バスや徒歩の時間も含める。行きたい気持ちだけでなく、帰りの体力まで計画に入れる。

まず公式一覧から候補を三つにする

日本城郭協会の公式一覧を開き、生活圏から行ける城を三つ選ぶ。候補を一つに絞る前に三つ置くと、休館日、天候、交通の都合で予定を変えやすい。候補ごとに、所在地、交通手段、開館施設の有無、歩く距離をメモする。

選んだ三つを比較するとき、知名度だけで決めない。駅から近くても見学時間が短い城があり、山道を歩いて展望を楽しむ城もある。自分が「歴史の説明を読むこと」に興味があるのか、「石垣や地形を歩くこと」に興味があるのかで向く場所は変わる。

天候が不安定な時期は、山城や広い公園を一城目にしない判断も必要だ。雨で道が滑りやすくなる場所や、日陰が少ない場所では、装備と体力の差が出る。初回は安全に歩いて帰れることを優先し、難しい城は二城目以降に回せばよい。

公式スタンプの場所と時間を確認する

スタンプを目的にするなら、公式スタンプの設置場所と押せる時間を事前に確認する。城の入口にあるとは限らず、資料館、管理事務所、観光案内所などに置かれている場合がある。施設の開館時間と、城跡を歩ける時間が異なることもあるため、公式の案内を分けて読む。

日本城郭協会のスタンプ案内は更新される可能性がある。記事やSNSの訪問記は参考になるが、休館日や設置場所の変更を確定情報として扱わない。訪問前に協会の公式案内と、訪ねる城や施設の公式ページを両方確認する。押印できなかった場合に備え、訪問日や見学記録を残せるようにしておく。

公式スタンプと御城印は別物である。御城印は、城を訪ねた記念として販売されることがある印刷物で、公式スタンプ帳の押印とは役割が異なる。どちらを集めたいのかを先に決め、スタンプのために御城印の販売場所を探す、またはその逆にならないようにする。施設ごとの案内に従い、無理な押印や撮影をしない。

一城目は「見るもの」を三つだけ決める

城へ行く前に、現地で見るものを三つだけ決める。たとえば石垣、堀、展示資料の三つである。予備知識を大量に詰め込むのではなく、地図を見たときに気になったものをメモする。現地で予定どおり見つからなくても、歩いた経路が記録になる。

説明板をすべて読もうとすると、最初の訪問で疲れてしまう。気になった説明を一つ選び、写真を撮ってよい場所かを確認し、短い感想を書く。石の積み方、門の位置、堀の深さなど、現地で見えた特徴を自分の言葉にすると、次に歴史を調べる入口になる。

写真は、看板や展示の文章を全部保存するためではなく、後で思い出すために使う。読める文字が写る場合は、公開や共有のルールを確認する。同行者がいるなら、写真を撮る人と説明を読む人を交代すると、歩く速度の違いで疲れにくい。

服装と持ち物は歩く距離で決める

持ち物は、スタンプ帳、筆記具、飲み物、スマートフォン、天候に合わせた雨具を基本にする。山城や広い城跡なら、歩きやすい靴と両手を空けられる鞄を優先する。帽子や日よけ、寒い時期の防寒具も、訪問日の天候と現地の地形で決める。

靴は写真映えより足元の安定を選ぶ。石段や土の道では、底が滑りやすい靴を避ける。体調が悪い場合や雨で危険が増している場合は、訪問日を変える。スタンプを押すために無理をして転べば、趣味の入口としては順番が逆である。

交通は行きだけでなく帰りを調べる。バスの本数が少ない場所では、見学を終える時間を決めておく。予定より歩くことになったときの休憩場所も確認する。城めぐりは、城の歴史だけでなく、そこへ安全に到着し、無事に帰宅する計画まで含む。

帰宅後に記録を残す

一城目から立派な城めぐりの記録を作る必要はない。訪問日、城の名前、公式スタンプを押せたか、印象に残った場所を四行程度で残す。写真を一枚選び、なぜ残したかを書く。記録があれば、次に同じ地域を訪ねるとき、見落とした場所を確認できる。

スタンプ帳に押した印を見返すときは、押印のきれいさだけを評価しない。少しずれていても、その場所へ行った日の天候や道のりが思い出せれば記録として役立つ。押印を失敗した場合も、施設のルールに従って一度で終える。集める趣味ほど、完璧さを追いすぎると続きにくい。

二城目を決めるのは、帰宅してからでよい。一城目で歩く距離が長かったなら、次は平地の城を選ぶ。展示が面白かったなら、同じテーマの城を探す。公式一覧を再び開き、次の一城を決める。この繰り返しが、制覇計画よりも現実的な城めぐりになる。

まとめ

城めぐりを始めたいオヤジは、100名城の数を目標にする前に、近所の一城を選ぶ。日本城郭協会の公式一覧で候補を探し、訪問先の公式ページで開館日、交通、歩く距離、公式スタンプの場所と時間を確認する。スタンプと御城印を分け、安全に歩ける計画を立てる。

一城を見て、公式スタンプを押し、帰宅後に感想を残す。そこでまた行きたいと思えたら、次の城へ進めばよい。城めぐりは遠くへ行った回数より、現地で何を見たかが趣味を育てる。私の場合、スタンプ帳を忘れたまま城へ着き、記念写真だけが増える可能性がある。

参考情報

Codexへの注意事項

  • 公式スタンプの設置場所、押印時間、休館日は公開前に再確認する。
  • 公式スタンプと御城印を混同しない。
  • 山城や史跡の安全情報、天候、交通は訪問前に現地公式情報で確認する。
  • 画像は特定の城や団体の公式素材として扱わない。