おやじの物欲

USB-C充電器を買うオヤジには、三点確認を推奨する

USB-C充電器は100Wの数字だけで選ばず、ノートPCの必要W数、充電器のポート出力、ケーブルの対応W数をそろえて確認する。

ノートパソコンとスマートフォンのUSB-C充電環境を確認する中年男性

ノートPCとスマホの充電器を一つにまとめたいのに、「100W」と書いてあれば何でも大丈夫だと思っているオヤジに読んでほしい。USB-C充電器は、数字の大きさより、使う機器とケーブルの条件をそろえるほうが大切だ。

「100Wを買ったから安心」と思った直後に、ケーブルだけ昔のままになっているのがオヤジの充電環境である。最初に見るべきは【100Wの大きさではなく、機器・充電器・ケーブルの三角関係】だ。

USB Power Delivery(USB PD)は、接続した機器が必要とする電力をやり取りしながら給電する仕組みだ。USB-IFによれば、USB PD 3.1では条件を満たすフル機能のUSB Type-Cケーブルとコネクターを使い、最大240Wまで扱える仕様が定められている。ただし、240W対応の充電器を買えば、どの機器にも240Wで給電できるという意味ではない。USB-IF「USB Charger (USB Power Delivery)」

Type-Cは端子の形状であり、USB PDは電力供給の規格である。差し込み口の形が同じでも、機器、充電器、ケーブルの対応条件は同じとは限らない。Anker Japan「USB PD(USB Power Delivery)とは?」

一番電力を使う機器の必要W数を見る

最初に確認するのは、充電器の売り文句ではなく、充電するノートPCの仕様だ。付属ACアダプター、メーカーの製品ページ、取扱説明書にある推奨出力を確認し、その数値をメモする。

たとえばノートPCの充電に65Wが必要なら、充電器の「最大100W」という表示だけで決めない。1つのポートから何Wを出せるのか、USB PDに対応しているのか、PC側の条件を満たすのかを確認する。充電できても、使用中の負荷によっては充電速度が落ちたり、電池残量が増えにくかったりする場合がある。

スマホやタブレットも同時に充電したいなら、いちばん電力を使う機器を先に決める。スマホを基準に選んだ充電器では、ノートPCの作業中の給電まで支えられない可能性があるからだ。

必要W数を確認せずに充電器の数字だけを見ていると、買ったあとでPCの箱や説明書を探すことになる。オヤジの物欲は速いが、仕様確認は後から追いついてこない。

充電器は「総出力」と「1ポートの出力」を分けて見る

複数ポートの充電器には、全ポートを合計した総出力と、各ポートから出せる出力がある。商品名に100Wとあっても、1つのポートが常に100Wを出せるとは限らない。

確認する場所は、製品ページや本体に記載された出力表だ。次のように、使い方を一つ決めてから数字を見る。

使い方先に確認する数字
ノートPCだけそのポートの最大出力とPCの必要W数
PCとスマホを同時に充電接続時の各ポートの出力配分
スマホや小型機器を複数充電全体の総出力と各ポートの下限

USB PDは、接続した機器が必要とする電力を受け取り、複数の周辺機器へ電力を配分できる仕組みを持つ。一方で、実際の配分方法は充電器の設計によって異なる。USB-IFの説明にも、複数の機器へ必要な電力を配分する機能が示されている。USB-IF「USB Charger (USB Power Delivery)」

100Wという看板だけ見て、裏側の配電表を見ないのは、オヤジが家のブレーカーを気合で増やそうとするようなものだ。接続する台数が増えるほど、ポートごとの条件を確認する意味が大きくなる。

ケーブルの対応W数が最後の関門になる

充電器と機器の条件が合っていても、間にあるケーブルの対応W数が足りなければ、目的の電力を通せない。USB-Cケーブルは外見が似ていても、電力やデータ通信の能力が同じとは限らない。

USB-IFは、USB-C to USB-Cケーブルの認証プログラムで、電力性能を示す60Wまたは240Wの表示を求めている。また、データ通信速度の表示も別に確認する必要があるとしている。USB-IF「Cables and Connectors」

100Wの充電器と100Wが必要なノートPCを組み合わせても、ケーブルが60Wまでなら、ケーブル側が条件の上限になる。ケーブルを買い足すときは、商品ページで「USB PD対応」だけでなく、最大対応W数も確認する。Anker Japan「USB PD(USB Power Delivery)とは?」

ケーブルは見た目だけでは性能が分かりにくい。オヤジの目には、長いケーブルも短いケーブルも「だいたい同じ」に見えるが、充電環境ではその「だいたい」が一番の落とし穴になる。

買う前に三点をメモする

USB-C充電器を選ぶ前に、次の三点を紙やスマホに書き出す。

  1. 一番電力を使う機器の必要W数
  2. 充電器の総出力と、使いたいポートの出力
  3. ケーブルの最大対応W数

ノートPCとスマホを同時に充電するなら、同時接続時の配分も加える。出張や旅行で使うなら、本体の重さ、コンセントの形、ケーブルの長さ、持ち運ぶ機器の数も判断材料になる。高出力になるほど発熱や安全機能についても、製品仕様とメーカーの注意事項を確認する。

必要な数字が分からない場合は、まず機器のメーカー情報に戻る。充電器の数字から機器の必要条件を推測すると、安い買い物のつもりが、使えない充電器とケーブルを増やす結果になりかねない。

USB-C充電器は、数字をそろえてから選ぶ

USB-C充電器は、最大W数の大きさだけで選ばない。最初にノートPCなど一番電力を使う機器の必要W数を確認し、次に充電器の1ポート出力と総出力、最後にケーブルの対応W数をそろえる。

「100Wなら十分」と思ったときほど、三点を並べて見直す。Type-Cという端子の形だけで性能を決めず、USB PD対応や各製品の仕様を確認することも忘れない。

最後にそろえるべきなのは、USB-CのW数だけではない。オヤジの「数字を見れば分かったつもりになる癖」も、三点確認でそろえておきたい。